ゆきママからのごあいさつ
お店を始めるまでと、お店の今の様子をお話しさせていただきます。
最初から東心斎橋
若いときはデザインの勉強をしていました。衣装やその展示とかです。ネット上では詳しくはお話しできないんですが、もうひとつ特技がありました(お店に来て、尋ねてくださいね)。東心斎橋でお店をやっているママさんから、「(その特技を)お店のイベントで披露してもらえないか」と相談され、お受けしました。だから、この飲食業の世界に入った当初は、接客ではなかったんですよ。それが、ママさんに「お店の女の子が足りない。入ってくれないかなぁ」と頼まれまして……そこからです。20代中ばでした。
ただ、そのときはそう長くは勤めていません。40歳ぐらいのときに、「もう一度、外に出て働こう」となって、この世界に戻りました。再び、東心斎橋です。そのときも、アルバイトぐらいのつもりでした。でも、気がついたらそこからウン年です(「何年か?」は聞かないでくださいね)。
ですから、この業界では東心斎橋しか知りません。大阪の繁華街といえば、「キタ」と「ミナミ」ですよね。そのミナミの中でも、「いいお店が集まる」とされているのが東心斎橋なので、ほかに目を向ける必要がなかったような気もしますし、単によそのエリアとはご縁がなかっただけなのかもしれません。
以前から気になっていたKAZZビル
お店に勤めているときから、KAZZビルは知っていました。近くだからというだけではなく、気になっていたんですよ。というのは、酒場街の建物って、夜は看板の電気などに照らされてきれいでも、昼間見るとちょっとくたびれていたりするでしょ。でも、KAZZビルは明るい時間に見てもきれいな建物なんですよ。デザインも凝っている気がしますし。
そうしていたら、KAZZビルに空きが出ました。それも最上階の5階です。スペースは広くありませんが、逆に「自分でお店をやるには丁度いい」と思えました。思い切って契約しました。
お店は2020年から
オープンは2020年の5月でした。新型コロナウイルス感染症の流行が国内でいわれ始めたのがその3月ごろですから、お店の営業に見事に直撃です。まあ、これは何年もやっているお店でも始めたばかりのお店でも同様でしょうけど。
この際、「違うグループのお客様を何組も入れない」などの感染対策をしました。この方針は今も続いています、感染対策にはまだ無関心でいられませんので。 お客様からは「落ち着いて過ごせる」と、違う理由から好評です。おかげさまで、企業様などのご接待によくご利用いただいています。
ほかに多いお客様は、自分で事業やお店をやっている方です。少人数でふらりと訪れられたり、従業員の方を連れてこられたり。なかには、「先代社長で今は会長」「その息子さんで今の社長」といった組み合わせもあります。やはり「社内よりも外でリラックスしながら」といった話もあるみたいですね。
スタッフは“経験者採用”
「リラックスの場であると同時に、ビジネスの延長の場としてもお使いいただける」のが、私のお店です。ですから、スタッフも慎重に選んでいます。早い話が「女の子」です。
素人っぽさはうちではセールスポイントになりません。必ず、よそのお店で働いた経験のある子を選んでいます。「じっくりと相手の話が聞けて、それでいて、急に話を振られてもちゃんと対応できる。陽気なだけではなく、機転が利く」が採用の基準です。これはおそらく、「一般のラウンジ」にはなく、「会員制のラウンジ」ならではの特徴のひとつでしょう。
東心斎橋について
お店のある東心斎橋についてもお話ししますね。
大阪を代表する繁華街のミナミのなかで、東西南北を堺筋・心斎橋筋・宗右衛門町・長堀通りに囲まれたエリアが東心斎橋です。ただ、これは行政上の話であって、ばくぜんと心斎橋筋商店街の東あたりを指す方も多いようです。
西隣りの心斎橋筋商店街がショッピングエリア、すぐ南の道頓堀商店街が飲食店街の色合いが強いのに対し、東心斎橋は「酒場街」と紹介されることが少なくありません。周防町筋と笠屋町筋との交差点から南のあたりは、スナック、バー、クラブ、ラウンジが特に集中しています。「ラウンジゆき」もそのうちのひとつです。
お客様の層もやや異なっています。心斎橋商店街や道頓堀商店街は近年、観光客やインバウンド客であふれかえっています。一方、東心斎橋のお店では、大阪や周辺に本社・支社・営業所などがあるサラリーマン、あるいは、自分で事業をなさっている方の姿が少なくありません。
こういった人たちが、その日の疲れをいやしたり気分転換したりするために、仕事帰りに立ち寄るのが東心斎橋のバーやラウンジなのです。
「ラウンジゆき」は2020年にできた比較的新しいお店です。それでも、落ち着いた空間とおいしいお酒、細かい心遣いで、周辺の老舗や名店に見劣りしないようがんばってまいります。皆様、どうかごひいきを賜りますよう、よろしくお願いいたします。